旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

雨が降っても

マサは、台風がそれて雨も上がり掛けて少し安心していた。アート体験イベントを予定通り準備を始めた。プリンターとパソコンは、自宅からクルマで運んでいる。それ以外のアート教材やラミネート機は会場近くの支援ブースのロッカーに保管してあるので助かっている。それでも設営には、机やイスとプロジェクターをバックヤードから取り出して並べるのは大変だった。この日は、秘書の妻と2人でイベントの対応することになった。なんとか開始10分前に準備が整って一息つくことにした。ストロー付きの冷たいカップコーヒーを妻が買ってくれたので、一気に飲み干した。妻は「もう飲んだの?」と汗を拭う姿を見ながら納得しているようだった。この日の会場は、奥まったところで人通りも少なく、しかも雨の日だったので来てくれるか心配していた。少し休んでいても入ってくる気配がないので、チラシを持って入り口近くに歩いている人に声を掛けた。30代の女性にチラシを見せるとすんなり興味を示して受付を済ませてくれた。スクリーンで作り方を説明すると、クマらしいキャラクターを鉛筆でスケッチ始める。「先生は副業ですか?」とマサの活動に興味を示し返事に苦慮しながら教えていた。続いて小学生の女の子がお母さんと入ってきた。雨傘と紙の葉っぱの雨粒模様は、女の子らしく可愛いい作品になりポストカードのオーダーがあった。3回目のリピーターの男の子もやってきた。しば犬のマロンを作りプリントシールも欲しいと言っくれる。突然に現れたのはテニス仲間の女子だった。グループLINEにテニスラケットのストラップ画像を送っていたから来てくれたのがわかった。現物のストラップを見せながら、作り方を説明した。パンダのサンプルが気に入ったようで、カタガミを好きな紙を選んでカーボン用紙を当ててなぞるように教えてあげた。完成したパンダはラミネートして金の紙紐を付けて渡すと、ラケットのストラップも欲しいとニッコリ笑顔だった。「テニスの仲間にも見せてね!」と気分良くプレゼントするマサだった。