旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

雨が降ったら

マサは、珍しく天気予報が気になっていた。今から15年前のこと、伊勢志摩で100名を集めての全国会議イベントを仕切っていた。同じ10月で台風が三重県を直撃するコースが予報されていた。新幹線を使い東京と大阪方面からやってくるため決行か中止にするか気が気でなかった。気象庁のホームページを10分刻みで見ながら判断を下す状況だった。急に台風のスピードが自転車ぐらいに遅くなり、その間に新幹線の移動ができ会議イベントができたのは奇跡的だった。明日はアート体験イベントを開催するか、NHKの台風情報を昨日から気にしていた。「直撃だよ。やめた方がいいよ!」と秘書の妻があっさりとしていた。過去の経験もあるので、すぐには判断しなかった。今日になって台風のコースもやや外れてきたので開催を決めた。念のために施設の事務員にも確認すると、警報が出た場合は中止にできることもわかった。明日の土曜日は、晴れていればテニスあるが参加できないことは伝えていた。雨が降ったら「みんなどうするのかなか?」と自問しながら「雨が降ったらアート体験イベントに来ませんか?」と誘ってみようと自答していた。でもいきなりグループLINEにメールするのも唐突すぎると思案した。テニスのバッグに付けられるストラップをサンプルに作ってみることにした。黄色の紙の葉っぱでテニスボールを作ってみたが、あまり可愛くなかった。プチっと葉っぱをちぎって残った部分が、ラケットの枠に見えてきたから不思議だった。ラケットと黄色の小さなボールと葉っぱの影を付けてストラップにした。赤、青、緑の3種類を作って撮影した。テニスのグループLINEに画像を添付して「雨が降ったらストラップ作ってみませんか?」と控えめにマサはメールした。