旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

オープニングイベント

マサは、同窓会でのペコちゃん似の女子の言葉が耳から離れなかった。『60年も生きてきた、それぞれ培った価値はこれからも生かしていける』とまだまだこれからだよと言わんばかりの力強い言葉は、可愛いキャラクターのペコちゃんではなかった。早朝テニスもやっていたらしくフットワークも良さそうだった。同級生のニシちゃんの主催する週末テニスに誘ってみると、スマホのスケジュールを素早く開いたが土日は音楽イベント出演で真っ赤に埋められていた。逆にキーボードで弾き語りをしているカフェがあるのでランチに来てほしいと積極的だった。キーボードは自前で真っ赤な色で軽量のためどこへでも行けるみたいだ。『メディアコスモスで練習できる?』と聞くので、音の鳴る楽器の使用を事務局に聞いてみると約束した。『紙の葉っぱのミュージアム』にフォークソングを流してみたいと考えていたので、コラボしてみるのもいいかもしれない。同窓会にはもう一つの目的があり、同級生のテレビ局の社長就任を祝う会でもあった。良きパートナーのチカチャンから誘いを受けて『プロパガンダだから』と宣伝という意味も知らず、二つ返事で参加していた。社長の風格たっぷりになったコウくんから真面目な提案をもらった。『ミュージアムのオープニングイベントをやったらどうだろう?』とテレビ局の社長らしく、テレビ映りの映像の演出までイメージした発言に驚いた。マツコの知らない世界より先にテレビに出られるかもしれない。ペコちゃん似の女子に赤いキーボードでフォークを演奏してもらいながら『紙の葉っぱのミュージアム』のオープニングイベントをいつやろうかと、思案するマサだった。