旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

子供のような素直なライン

マサは、次のアート講座の準備をしていた。テーマは「新年の縁起物や年賀状を描こう!」として、すでに新しく参加する2組の夫婦の予約が入っていた。会社時代の同僚マスちゃんがLINEで送ったチラシ画像を見てくれていた。マスちゃんがら同僚ムラちゃんへも連絡してくれたようで、もう一組夫婦も参加してくれることになった。かねてより秘書の妻も面識があり、夫婦6人とも独身時代にテニスを一緒にやった仲だった。マスちゃんはコンサルタント、ムラちゃんは芸大の教授になったことは知っていたが久しぶりの再会となる。アート講座の参加者には小学校の先生やお医者さんがいるが、元同僚とはいえ大学教授となると少しばかり緊張していた。2週間程まえに、3才になる孫と遊んでいると緑のサインペンを持って絵を描き出した。ニッコリ笑う女の子で、空いた所に「絵を描いて!」と誘ってきた。女の子の横に自分のつもりで、同じ緑のサインペンで線を引いていった。それなりに描けたが、どうも上手く描こうとしていて比べるとわざとらしく見えた。どうして子供は素直なラインで絵が描けるのだろうと思いつつ、今度のアート講座では、子供のような素直なラインを取り入れて見ようと決めた。ホームセンターでたまたま目に止まったが紙ヒモだった。牛乳パックを再生した真っ白な紙ヒモなら、紙の葉っぱとも馴染んでいいかもしれない。来年の干支はウシであることから、牛乳パックを葉っぱ状にカットして真っ白な紙ヒモを組み合わせて作品を完成させた。紙ヒモ分の厚みがあるのでラミネートがうまくいくか心配したが、なんとか圧縮もできた。子供のような素直なラインを取り入れた作品に大学教授もクスッと笑ってくれるだろうかと、会えるのを楽しみにしているマサがいた。