旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

葉っぱのシーン

マサは、メディアコスモスで映画鑑賞会を見に出掛けた。1週間前にメディコスクラブに参加したとき、運営委員の大学教授からの紹介があったので予定に入れていた。『人生、いろどり』というタイトルで図書館にあるDVDを、みんなのホールで見られる無料の鑑賞会だった。大学教授は、マサに是非見てほしいと目で訴えかけているように感じていた。その場で予告編をあえて検索して見せてくれた。愛媛県の過疎の村で、葉っぱをビジネスにした女性たちの実際にあった物語で吉行和子が主演だとわかった。本物の葉っぱと紙の葉っぱには何かしら共通点があるのではと、推薦してくれたようで嬉しかった。平日の午後の時間帯だったが、みんなのホールは普通の映画館並みに人が入っていた。JAの若手職員が、たまたま入った和食店で、二人連れの旅行客の女子が、ツマに付いていた葉っぱを紙に包んで持ち帰るシーンを見かけたことから始まった。この話しを70代の主役の吉行和子に葉っぱを売ってみないかと持ちかけて展開していく。何枚か葉っぱをパックしてみたが、最初は10円でも買ってくれる人がいなかった。実際に使っている料亭へ調査に行ってから、お皿や季節に合わせた使い方がいろいろあることを教わった。大小サイズのバリエーションを作ってパックして並べると、300円で買う人が現れたから大喜びするJAの若手職員だった。最後のテロップには、この過疎の村は葉っぱで2億円ものビジネスになっていると流れた。みんなのホールを後にすると、近くにあるJAのビルへ向かった。来週のプレゼン用のデータを届けるためだった。映画にも登場した同じJAマークの看板に、自分も映画のワンシーンにいるような錯覚でビルの中に入っていくマサだった。