旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

紙のパッチワーク

マサは、紙でタペストリーを作って日差しをさえぎってみようと思案していた。紙だけでは破れてしまい長持ちはしない。タオルに水を含ませて窓ガラス面に水分を塗布したあとに新聞紙を貼ってみたが、水分がすぐ飛んで剥がれ落ちてしまった。紙と相性がいいのはなんだろうか?やっぱりタペストリーなら布がいいかもしれない。もう10年前になるが柳ヶ瀬にある中日文化センターの油絵教室に通っていた。キャンバスは50枚以上もあり置く場所に困るので、絵を剥がして木枠だけを使って張替えするつもりでロール状のキャンバス布を買ってあったのを思い出した。3階にある物置き部屋に上がって確認すると10メートル丸々残っていた。このままでは光を遮断できないので、紙を貼れば効果が出ると思った。手っ取り早いのは新聞紙を貼ったイメージをしてみた。なんだか新聞社の前にある掲示板みたいになるかなあ。布を使うのなら『紙のパッチワーク』はどうだろう。毎年秋になると姉がパッチワークの展覧会をしている。ツギハギのことをパッチワークというらしい。綿を芯にして、古着を切り取ってオモテとウラに縫い付ける手法だそうだ。芸能人ではキャッシー中島が、最近の情報では山口百恵がやっていると久しぶりの顔出し写真が紹介されていた。『紙のパッチワーク』は古着ならぬ空き箱を、綿の代わりにキャンバス布を使うとそれらしくなると想像した。もちろん紙のカタチは葉っぱにすれば、ペーパーリーフのパッチワークが出来上がる。クルクル巻けばツルのように立体感も作れて、風に吹かれるとゆらゆら揺れる朝顔みたいにもできる。もうすぐ夏休み、マサは『紙のパッチワーク』を夏休みの宿題とすることにした。