事務所の必需品

マサは、いわゆる事務処理が苦手でついつい後回しにしていた。秘書の妻と名前だけ秘書と付けているが、それは願望であってなかなかその通りにならない。事務処理も自分でやらなければならないのが現実だった。地方自治体の令和元年の年度末に合わせて、書類提出を求められていた。２週間も前から書類提出するように郵便が届いていた。開くなり文字がギッシリ書かれて、手書き記載の必要な書類が５枚も入っていたのでしばらくそのまま放置していた。昨日になってじっくり読むと、それ以外に前年の決算書、活動計画書、運営委員名簿、規約が必要なこともわかった。しかし２月末が提出期限となっており気持ちだけ焦っていた。気合いを入れてパソコンの前で集中すると、昨日と今日でなんとか揃えられそうになっていた。3年前より市民活動登録団体となっており、過去のデータをUSBから取り出した。年度を新しくしたり、予算の数字を変えるだけで、必要書類がカンタンに出来上がった。始めるまでのハードルは高いが、やり始めると想像以上に早くできるので不思議だった。改めてパソコンの事務処理能力の素晴らしさを実感していた。４月からメディアコスモスにレンタルスペースを借りるので、パソコンとプリンターを持っていくことにした。まさしく事務所の必需品だと、マサは引越しのリストの中に入れた。