旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

マスクの効果

マサは、アート講座の打ち上げの三次会でカラオケでノドをやられたらしい。会社に行くと『声がおかしい。風邪?』と聞かれる。時期が時期だけにインフルエンザだと困るので気を遣ってほしいニュアンスがあった。『カラオケで歌い過ぎたから』『確か3曲だったかな』『それだったら風邪かもよ』といつも仕事をしているアラキン2との会話だった。2日目の火曜日も声が変わらず『それは風邪だよ!マスクしなきゃ!』と少しばかり口調が厳しかった。前に座っているマスクをしているズバッと女子も『ダメだよ!』輪を掛けて話すと前を見ながら咳き込んでいた。彼女は1週間も前からこの調子で、ひょっとして移されたかもと口には出せずに黙っていた。昼過ぎに6階に上がりいつもの血圧測定を診療所ですると、保健師のはなちゃんからは『ノドをキズから守るためにもマスクしたほうがいいよ』とアドバイスをもらった。翌朝『マスクは救急箱に入っているから』と秘書の妻に確認すると、朝からマスクをかけて出掛けた。マスクってこんなにも温かいことも一年ぶりにわかった。ウインドウに映る自分のマスク姿は、子供用のマスクみたいで小さく見えて可笑しかった。会社に到着してマスクを外してトイレのカガミを見ると、目の下にクッキリとマスクの跡が付いていてシワのようになっていた。やっぱりマサの顔は、人より大きいなあと改めて感じる朝だった。