旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

100円ショップのケース

マサは、名鉄岐阜の改札口を出ると左手のビルに入った。夕方の5時を過ぎても30℃を越える猛暑が続いているので、クーラーの入った場所はオアシスのようだ。保健師のはなちゃんに勧められて『100円ショップ』に入って透明なスマホケースを探した。あるあるスマホ関連は棚2つでコーナーが出来ている。透明なスマホケースもハードとソフトタイプがあり柔らかい方を選んだ。外気温は1℃ぐらいは下がっただろうか、それでもいつもの道を歩くことにした。マクドナルドの前に差し掛かると、少し光るケースが落ちているのに気付いた。スマホかな、ちょっと小さいケースだった。よく見ると定期券で、裏側は学生証なので拾い上げた。バス停だったので降りる時に落としたのだと思った。交番はもう少し歩いて柳ヶ瀬まで行くとあるのは知っていた。2つある信号機ごとに水分を補給しながら交番に着いたが、巡回中で誰もいない。でも部屋の中はエアコンが効いてとても涼しいので待つことにした。30分程たっただろうかパトカーが駐車場に入ってきた。汗もやっと引いたのでちょっと涼むにはちょうどよかった。『どこで拾いました?』と若い警察官が調書を書き始めた。学生証を見ながら今どきの可愛いの女の子の名前を大きな声で読み上げたのでなんだか悪いことでもしたかのように恥ずかしい感じがした。外に出ると更に2℃は下がっただろうか、5分程歩くと自宅に着いた。前のビルがほとんど壊されて西陽が当たり、温度計は38℃を指していた。汗がしたたる中、先ほど買ったスマホケースを取り出した。会社でラミネートしてくれた紙の葉っぱをスマホケースのサイズにカットして入れてみた。汗が目に入ってケースに収まった葉っぱがにじんで見えても満足顔のマサだった。