旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『テニス』のドキドキ

マサは、ゴルフの衝撃から立ち直れずにいたが、旅行代理店最大手J社のトシちゃんから今度は『テニス』の誘いがあった。『テニス』なら大学時代にやっていたので、付き合えると思い快諾した。J社の中でサークル活動をしており、外部からも男女問わずに募集中だった。少しだけ意気込んで、名古屋の鶴舞公園テニスコートに初めて行ってみた。トシちゃんとイッチャンは既にテニスコートでラケットを振っていた。初めて見る女子2人と緩やかにボールを打ち合っていた。ゴルフ以上にテニスも久しぶりで、ボールに当たるか心配しながらウォーミングアップをしていた。『マサは、大学時代からやってるから楽しみだ』とイッチャンがプレッシャーをかけてきたので、ゴルフの時と同じに固くなるのがわかった。『それでは、お願いします』と左利きのロングヘアの女子が声を掛けてきた。更にカラダが固くなるのがわかった。ボールを手に取り、下からラケットを差し出して何とかボールに当たったがネットを越えてくれなかった。『ドンマイ、肩のチカラを抜いて』と言われ少しは平常心になって、次のボールを打ったら後ろのラインを越える程のホームランになった。この間のゴルフの再現ビデオを見ているようだった。ロングヘアの女子は、バックバンドに関わらず、ホームランボールをラケットに当ててビシッとボレーでマサの足元に返してきたからビックリした。こちらもバックバンドの位置に返ってきたので、腰をひねってラケットを出すとスコーンとボールが当たり相手の足元に返った。トシちゃんが『おー、昔の面影が見えた』と叫んだ。この一球で『テニス』はなんとかなるような気がした。練習をした後に、ミックスダブルスをすることになったが年甲斐もなくドキドキするマサがいた。