旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『ゴルフ』の衝撃

マサは、イッチャンに誘われて同級生の『ゴルフ』に参加した。2組6名の和気あいあいのゴルフのつもりだった。旅行代理店最大手J社のトシちゃんとテレビ局役員のカーリーちゃんと3人で回ることになった。1番はパー4のミドルホールでドライバーはそこそこ、2打目もグリーン2向かってオーバーしたようだがそこそこだと思った。カーリーちゃんは、グリーン手前に遠慮気味に落としたかに見えた。グリーンそばまで行って驚いた。グリーンの奥はガケになっており、ボールはなんとか止まっていた。どうしていいかわからず、2人の顔を見ても無言のままだった。チカラ加減が全くわからずチョロをしたあげくホームランとグリーンに乗るまでが長いこと長いこと。カーリーちゃんが、グリーン手前に落としたのが汗ダクながらやっと理解できた。彼は冷静そのもので、2、3度素振りをするとスコット軽い音がしたと思うと、グリーンにボールが落ちて、穴めがけて転がっていった。テレビ中継でジャンボ尾崎でも見ているような錯覚を起こしていた。コーンとボールが入る音が聞こえた。トシちゃんが『ナイスパーティー』と声を張り上げた。マサは、自分が何打叩いたのか残像を追うように数えてみたが、全くわからなくなっていた。その後は、どうやって回っていったか自分を失っていたため全く覚えていない。トシちゃんもマサの影響を受けたせいで、スコアがかなり崩れかけていたのはわかった。ロングホールを終わったとき、マサは『10打だよ』と申告すると『オレが10打で、マサが同じはおかしい』と修正のコメントも反論できないで『11打で』と言ったのも、今考えると可笑しすぎるほどだ。結局カーリーちゃんのスコアは78で、マサは軽く倍はあったが正確な数字はわかっていない。カーリーちゃんからは『まずは道具を変えなきゃね』と貴重なアドバイスをもらった。この日以来ゴルフから遠ざかったのは、あまりにも衝撃的だったからかもしれないとマサは思っている。