旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『デカくてキレイ』同級生の会社

マサは、同級生の自動車部品最大手のD社に行くのが楽しみだった。JRの刈谷駅を降りると遠くではあったがビルがそびえ立っていたのがわかった。さびれかけた商店街を10分歩くと『デカくてキレイ』なビルに着いた。行ったことはないがアメリカの自動車都市デトロイトにも来たような錯覚をしていた。同級生のミヤちゃんはスーツ姿で『どうも、どうも』と岡崎弁まじりながらビシッと決めていた。『まずは、こちらへ』と自動車部品の博物館へ案内してくれた。館長がみずから出迎えてくれ説明員になってくれる歓待ぶりに気が引ける思いだった。クルマの部品を説明するために、クルマが何台もあったり、映像コーナーもありとにかくスケールがデカくて驚くばかりだった。最後は商談スペースに案内された。オシャレな制服を着た女性がまるでカフェのように『ごゆっくりどうぞ』とコーヒーを差し出してくれた。席に着くやいなや『この博物館も古くなったからリニューアルしたい』と館長からいきなりの発言で、オッチーさんとマサは例により見つめ合うと2人とも目が点になっているのがわかった。ここでもオッチーさんは『東京には、ここより素晴らしい博物館と展示スペースがあります。是非見てください』と後輩の会社の時と同じ営業トークに笑えたがタイミングいい発言だった。『是非いきたいのでよろしく』と即答だった。同級生のミヤちゃんも満足顔だった。後輩のタカちゃんと同じく、自分でなんとかなるネタを準備してくれていた。『帽子なんかできないよね?』と社会貢献活動で刈谷の街をキレイにするために参加者に配布したいというものだった。『水と空気以外は、なんでもできます』とオッチーさんの口癖がオチとなって商談を終えた。