旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『陸の王者たち』の集い

マサは、9日間の長い夏休みも終わり記憶を巻き戻ししていた。ペーパーカートン展示会で偶然会った大学の先輩ニシさんとの約束だった飲み会の段取りをすることにした。同級生のミヤちゃんは、実家の岡崎から自動車部品最大手のD社本社に通勤していることがわかった。ミヤちゃんから後輩のタカちゃんも実家の豊橋から自動車発祥の会社T社の関連会社の社長をやっていることも知らせてくれた。先輩ニシさんは、繊維会社最大手T社の関連会社の名古屋支店長となっており、マンションに来るように誘いを受けていた。ピンポンとボタンを入り口で押すと『まあ、入れや』と例によって吉本新喜劇の世界に入っていく感じだった。ニシさんと同級生のスズさんも既に部屋にいた。スズさんは、浜松の鉄道会社の関連会社ゴルフ場で支配人をしていることを聞いた。マンションに入ってビックリしたのは、焼肉屋さんにある鉄板焼きのテーブルが置いてあるではないか。その横には、電動式麻雀卓が置かれてあった。徹夜麻雀をよくやったので、麻雀好きの先輩ニシさんらしい大胆なセットもありかと思った。先輩と同級生と後輩の5人で『陸の王者たち』の集いが始まった。先輩のニシさんは、宅急便で送られてきた飛騨牛の塊を取り出し無造作に焼き出した。『食えや、食えや』と関西弁に誘われて遠慮なく食べ始めた。1番後輩のタカちゃんは、先輩にそんなことさせられないと箸を譲り受けて焼き出していた。社長と聞いていたからデーンと構えているかと思っていたが、昔よりも腰が低いのに可笑しくなった。 マサは、展示会で偶然にニシさんに会ったこと、オッチーさんと一緒に市場開発していることなど、初めてこのメンバーにビジネスの話を持ち掛けてみた。みんな心良く訪問することを受け入れてくれた。