旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『バカデカイ』後輩の会社

マサは、腰の低くなった後輩のタカちゃんの会社へ早速行ってみた。元々はフォークリフトを製造していた工場だったらしくバカデカイ広さに驚かされた。工場の一番奥に事務所があると聞いていたので営業車で入っていったがそこそこ走った。真夏の日差しが照り返す中で、わざわざ玄関の前で出迎えてくれたので恐縮してしまったが、先輩ヅラをしているマサだった。タカちゃんは部下の総務部長を同席させての面談だった。出来たばかりの会社で、岐阜にある電子機器の基板などで世界的に有名なI社との合弁企業との説明を受けた。タカちゃんはインドの工場に長年勤務した後に、この会社に赴任したばかりだった。クルマ以外の製造工場に戸惑いがあるようで、詳しいことは総務部長が応答をしてくれた。先輩営業のオッチーさんは単刀直入に『袋のパッケージあるでしょ?』と質問したところ『いっぱい使ってます』と予想通りの返答に、マサと目を合わせてビンゴとココロで叫ぶのがわかった。『岐阜のI社で使っているものをもらってます』と発注権はないので、そちらを紹介することを約束してくれた。オッチーさんは『袋のプロフェッショナルを当てます』と久しぶりに大風呂敷を広げてみせた。社長のタカちゃんは満面の笑みで『先輩よかったです』とマサを立てたカタチとなり安堵するのがわかった。更に『新しい会社なので、会社案内もお願いしたい』と準備していたネタを披露してくれた。『こちらも会社案内のプロフェッショナルを当てます』ともう一枚の風呂敷を広げた。社長のタカちゃんも、マサがどんな会社なのがわかっていなかったようで、なんでも出来るらしい回答に、任せても大丈夫だろうという気持ちがうかがえた。オッチーさんは『よろしければ、すべてがわかる東京の展示施設を案内します』と次なるアポを取って、自分の会社の土俵に誘い込み快諾を得た営業の押しの強さに感心するマサだった。