旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『講師初体験』の夏

マサは、夏の暑い日に『包装管理士』の講師を初めてやることになった。講座のテーマは『紙器と紙容器』となっており、テキストはすでに出来上がっているので簡単にできると思いオファーを受けることにした。講師説明会は10名のその道のプロが集められた。事務局から細部について注意点が説明された。テキストは文字ばかりなので、パワーポイントで大きな文字で写真などを使って分かりやすくすることを要望された。自分で作ったテキストなら説明しやすいが、何回か読んでも理解できない部分が多く、会社の中で更に詳しい人に聞くことが必要だった。ある程度内容がわかるようになると、テキスト通りに進めていくと重複する部分もあり、全体の流れを全て見直した。持ち時間は3時間あり、いかに飽きさせず聞いてもらえるかも考えてみた。仕事で関係のあったM社のマーブルガムの箱だったら教材になると、製造過程の順番にサンプルを集めて画像におさめていった。初めての講師の日は、かなり暑い日で会場に着くまでに汗ダクになっていた。当時はまだクールビズでなく背広にネクタイのスタイルだったので暑さ対策も苦慮した。水分をたっぷり含んだ冷たいおしぼりも自前で用意してみた。80名の生徒の前に登壇すると、例によって『脳汁』が溢れでるのがわかった。それを予測して冷たいおしぼりで汗をぬぐったが、水分をたっぷり含んでいたために汗は全く吸収されず、シャワーを顔面に浴びて残ったままの感覚に陥っていた。立ち直るきっかけとなったのは、M社のマーブルガムの箱だった。前日に80個分をスーパーで購入していたので、みんなに1個ずつ配り『ガムは眠くなったら食べください』と緊張感をみずから解き放つように話すと汗が引いていくのがわかった。