旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『キャンディ会社』の衝撃

マサは、ほっとする間も無くチョコスナックとマーブルガムの次は、キャンディを担当していた後輩営業ケンちゃんが待ち構えていた。彼は名古屋では売上げNO.1営業で、キャンディや豆菓子を主力製品で扱う大事なクライアントを担当していた。マーブルガムの先輩営業ホリーさんと同じ悩みを抱えていた。後輩営業ケンちゃんは、『マサさん、僕のクライアントもよろしくお願いします。』と丁重な言葉遣いにぐらついでいるマサがいた。キャンディを小袋包装にしたことで、業界でもトップクラスに躍り出たばかりで、全国ブランドになりかけていたのが、K社だった。企画マンならナショナルブランドの商品企画に携わりたい、反面これまで担当してきたディレクターはどうなるのだろうか、ペーパーは得意だが袋入り商品しかないけど大丈夫だろうか不安もあった。ちょっとした葛藤があったが、『上司にも話してあるから遠慮しないでください』と後輩営業ケンちゃんは仁義を切っていることを強調していた。さっそく営業車に乗ってK社へ挨拶に行くことになり、リラックスしてゆっくり話していると『着きました』と10分ぐらいで駐車場に着いた。倉庫のような平屋で、イメージしていた建物とは違っていた。玄関を入ると、すぐに打合せ室があり4人が座るだけのスペースで息苦しさを感じはどだった。開発室長と名刺交換すると、すぐ専務さんが入ってきて『変わった名前だね。僕の同級生に同じ名前の人いるが』と強面だが親しげに声を掛けてくれた。岐阜の野球の強い高校出身だということもわかり、名古屋の新聞社にいる叔父と同級生だということがわかった。狭いスペースで大きな目で見つめられて、何もプレゼンしてないのに『脳汁』が出だしたのがわかった。この後は、後輩営業ケンちゃんは専務さんとゴルフの話しだけで30分ぐらい続き、マサは久しぶりに『沈黙は金』のまま汗が止まらないままいた。想像以上に『キャンディ会社』の衝撃があったが、『脳汁』のこれまでの幸運を信じることにした。