旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

絵本の読み聞かせ

マサは、アート講座で新たな試みをしていた。テーマにより作品の出来上り具合や参加者数も違っており頭を悩ませていた。新しく運営委員になった同級生のミエちゃんが、絵本の読み聞かせを子供たちにやっていることを教えてくれた。「アート講座で絵本の読み聞かせやってくれない?」と聞くと「オトナの前では自信がない!」とあっさり断られた。「でも図書館で絵本を選ぶのなら手伝います」とアート講座への参加の意思を示してくれたのは幸いだった。講座の参加者にたまたま小学校の先生がいるので、読み聞かせを頼むと快諾してくれた。「絵本の世界を描こう!」をテーマにして、絵本の読み聞かせをした後に作品作りのワークショップとすることにした。講座の当日は、推薦の絵本を15冊テーブルに並べる。オンライン参加者にも読み聞かせがわかるようにWEB専用のカメラもセットする。「こちらに座ってカメラと会場にもわかるように」と無理な注文を小学校の先生にお願いしたが嫌な顔ひとつ見せず、絵本をめくり読み始めてくれた。この優しい声に誘われたのか、3才の女の子を連れたお母さんも飛び入り参加となった。絵本の中の女の子の洋服の絵柄がページをめくるたびに変わっていく話に、オトナのマサも引き込まれていった。その後オンラインとリアルの参加者は作品が出来上がりスクリーンに投影して鑑賞をしていく。いつになくユニークで素晴らしい作品の数々に、大きな満足と癒やしを感じるマサだった。