イベントができる体力

マサは、アート体験イベントで4時間立ちっぱなしでも持ちこたえられる体力を維持したいと思っていた。コロナのためにステイホームの時も、意識してウオーキングをしていた。それでも会社通勤時は1万歩だった歩数が、リタイア後は5千歩と少なくなっていた。2月に友人のニシちゃんから誘われたテニスに参加してから、月1回程度やることにしていた。たまにコーチがきてアドバイスをくれるので、少しずつ上達している気になっていた。それでもサーブだけはなかなか上手くならず、毎回悩んでいた。「サーブはトスが大事、3本指で持って上げるといいよ！」とこれまで話したことのなかったズッキーさんの一言が決め手となった。ボールを3本指で支えてスーッと上へ差し出すと、真っ直ぐに上がっていくから不思議だった。この日から、トスを上げる練習を開始した。フォア、バック、サーブ、これをルーティンにして毎日繰り返した。今日はテニスに参加して、成果を試すことになった。やっと涼しくなってきたので13名の男女が集まった。全体練習が終わると2面に分かれてダブルスの試合をすることになった。ミックスダブルスをするというので、大学時代に感じたようなテンションになるのがわかった。あんなに入らなかったサーブが、ボールは早くないがなんとか入ってくれた。試合は負けたが気持ち良くベンチに戻って座ると「だいぶ良くなったよ！」とあのアドバイスをくれたズッキーさんが声を掛けてくれたので素直に嬉しかった。3時間のテニスもあっという間に過ぎた。テニスのお陰でアートイベントができる体力がついてきたと、どちらにも自信を深めつつあるマサだった。