旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

サラベンは重いか?

マサは、きょうも秘書の妻からお弁当を手渡された。『ミカンあるから持っていく?』と言われたが『重くなるので、いらない』と断った。2日ほどミカンの皮が弁当箱に残っていたので気になっていたようだ。保健師のはなちゃんからもらったミカンを食べた後の皮だった。マジックで書いた可愛い顔が、皮にも残っていたのかもしれない。どうして会社でもらったミカンは食べるのに、持っていかないの?と不満気な様子がわかった。マサは、トートバッグにお弁当と水筒を入れると重さを感じていた。名鉄岐阜駅まで歩いて20分かかっているが、今までと違う感覚で歩いていた。ミカン1個分でも重いと感じるのは、年齢のせいか、愛情のせいか、不思議な感覚でトートバッグを肩に掛けて歩いていった。会社に着くと、噂を聞きつけた弁当組の中年男子から『一緒に食堂で食べようよ!』と誘ってきた。『この年で、お弁当の見せっこは恥ずかしいから』と断った。いつも一緒に食べている同年代のカトちゃんも『寂しいなあ』と話しかけてきた。きょうもお弁当の画像をFacebookにアップしたが、タイトルを『愛妻?弁当』からサラメシをもじって『サラベン』としてみる。昼食をお弁当に変えただけなのに、いろいろな反響があって面白くもあった。サラベンは、その重量だけでなく影響力が想像以上に重いと感じるマサだった。