旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『新ペーパーくん』の誕生

僕は、しばらくのあいだ横になることしかできなかった。ちょっと大きめの正方形の色紙から作ってくれて、オレンジの布地の上に横になっていた。最初は金色と銀色で、その後はいろいろな色紙で作られたが、いちばん似合っているのは水色だった。気分によって色が変わることになった。怒っている時は赤色で、黄色い紙は注意をうながす。ピンク色は恋の気分になり、グレー色は悲しさを表現する。マサは、いろいろな色紙の僕を作ってLINEスタンプにしてしまった。『ペーパー君のメッセージ』と検索すると、手書きのメッセージが付いた僕のスタンプが40種類もある。マサは、LINEクリエイターに登録審査に合格するまでに3回やり直して、やっとOKになった。苦労の割に友達数人しか購入してくれずガッカリしている。これをきっかけに、寝ているだけでは動きが乏しいので僕を立たせる方法はないか最近まで考えていた。色紙は紙が薄いので、お菓子の箱なら紙が厚いからこれを使えば立たせることができる。これまでは手しかなかったが、立たせることにより足が必要になる。正方形にカットしたお菓子の箱から、対角線状に大きく葉っぱのカタチに切ると顔になる。残った部分を半分ずつ使うと、ちょうど手足のカタチになった。すごい、正方形を無駄なく使って『新しいペーパーくん』が出来上がった。