旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『誕生のヒミツ③』はMOTTAINAIから

マサの働く工場ではペーパーを加工しており品質保証にたずさわっていた。昨今の日本製品の要求品質はかなり細部にわたりきびしく、大量の規格外が廃棄されていた。せっかくキレイにプリントされた製品が、MOTTAINAI、かわいそうでもあった。この頃は毎日のようにクレーム処理で、終電まで報告書を作っていた。しかしマサは長年の間、企画書を作っていたのでこれだけは役にたった。アパートに帰ると1週間分の食材が買ってある冷蔵庫から、インスタント食品を取り出してフライパンで焼き物をするぐらいだった。箱に入ったスープを取り出した時に、突然ヒラメキがあった。この箱なんとかしてやりたい、あんなに苦労して出来上がった箱だから。すこしこのまま持っておこうと。.,つづく