旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『物語り』のインパクト

マサは、次の『パネル展示』のテーマを考えていた。3ヶ月もすると『パリ見聞録』のプレゼンは一巡した。2ヶ月に1回は、パッケージデザイン協会の理事会があり東京に出張していた。決まって寄るのは、東京駅の八重洲ブックセンターだった。次のテーマのことが頭に引っかかっていると、自然と探す本のコーナーも決まってくる。最上階からゆっくり見ていくと1時間程度かかる。実用書やマーケティング関連の書籍を念入りにタイトルで面白そうなものがあればページをめくる。『物語りマーケティング』というアメリカ人の経営学者の著書で翻訳本に目が止まった。アメリカの成功事例が紹介されており、ディズニーやマクドナルド他分かりやすく解説されていた。それらに共通するキーワードが『物語り』だというものだった。ディズニーの世界はキャラクターによる『物語り』があるのは理解できたが、マクドナルドにもサービス提供の裏に『物語り』が隠されているというのだった。同じコーナーに『なっちゃんの秘密』の本も気になってページをめくった。サントリーなっちゃんというオレンジジュースがなぜヒットしたのかが書かれていた。夏の田舎になっちゃんという子供をイメージして『物語り』を使って商品を誕生させたというのである。アメリカでも日本でも同じこと考える人いるんだなと、これを次のテーマにしたいと感じていた。ちょうどパッケージデザイン協会の理事会に出席すると、サントリーの『なっちゃんの秘密』の著者の理事いるとわかったので会って話しが少しできたのはラッキーだった。後日になるが、サントリーのこの理事に名古屋でセミナー講師として、なっちゃん以外の開発秘話が聞けたのも大変参考になった。缶コーヒーのBOSSやお茶の伊右衛門もこの理事が手掛けた商品だということもわかった。これらの商品にもそれぞれに『物語り』があり、書籍とこの理事のインパクトは強烈だった。