旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

プチ盆栽

マサは、久しぶりのバスツアーに参加してリフレッシュしていた。地元テレビ局が主催するカルチャースクール型のツアーで明智光秀の生い立ちの地を巡るものだった。いわゆるGOTOトラベルで給付金や地域クーポン券、光秀の歩き方の書籍まで付いてかなりお得なプランだった。近江の明智十兵衛屋敷や越前の一乗谷朝倉氏遺跡を巡っていった。ナビゲーターの講師が事細かく解説してくれて、大河ドラマ麒麟がくるをテレビで見ている以上の臨場感が味わえた。この知的満足度は、給付金やクーポンよりも価値あるものだった。明智十兵衛屋敷は大河ドラマにあやかって急遽茶屋として建てられていた。茶屋近くの神社前にある杉の木が樹齢450年であり戦国時代前から集落があった証拠となっている。周辺は同じような杉の木で囲まれた山道になって当時の武士たちの往来も体験する気分にもさせてくれた。この光景をカメラに納めたいと杉の木を見上げながらスマホで撮影してみた。バスツアーから帰り、気分もスッキリとメディアコスモスのデスクに向かった。木製のプチスタンドを眺めながら、あの見上げた杉の木のことが頭によぎった。グリーンの紙の葉っぱプチッテをちぎって乗せてみた。このままでは杉の木にならない。以前に買った緑色の細い針金があったので、折り畳んだ部分を切り込み部分に挟んだ。残りの部分はクルクル巻いて幹や枝にしてみる。後はグリーンの葉っぱに半分ハサミを入れて針金に挟むと、小さな杉の木が出来上がった。「これはカワイイ!」と思わず叫んで、マサはこれを「プチ盆栽」と名付けることにした。