旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

マサが出したひとつの答え

マサは、審査員のコメント『企業との協業をしたらどうか』がどういうことなのか考えていた。確かに今回のプレゼンの参加者には、NPO法人が半数を超えており、協賛企業や大学との協業を強調する団体が結構あった。まだまだ走り出したばかりのマサは、ちびっ子相撲で大相撲の土俵では相手にならないと感じていた。この間の大須の会合でイッチャンが『お菓子メーカーとタイアップすればいいかも』の次に付け足して、言葉は悪いけど『人のフンドシで相撲をとることを考えて見たら』とアドバイスくれてたのを思い出した。長い歴史や組織が出来上がったNPOに対抗するには、企業のフンドシを借りる必要があると今回マサの出したひとつの答えだった。『明治や森永などお菓子メーカーがひとつでもタイアップしてくれれば、話題になる。そしたら他もやりたくなる』とイッチャンは真面目に語りだした。『うちの工場にはお菓子メーカーの不良のヤレ紙がいっぱい出るから、それを使ってみる?』と冗談ぽくマサがいうと『ダメダメそんなことしたらヤバイよ!』とお酒が入っている割にマジだった。『タイアップできれば、お菓子の箱になる前のシートを提供してくれる。それを使ってあげればお菓子メーカーの宣伝にもなる!』かなり真剣そのものの口調に戸惑いを隠せなかった。『もらったシートはトムソンで抜けばいい。葉っぱのカタチは、いろいろあった方がいい。』立て続けに話すので、やっぱりお酒のせいだとも思ったが、アタマの中のメモ帳に必死に記憶しようとしていた。翌週の月曜日になってもイッチャンの言ったことは頭から離れなかった。会社の経営者だからなのか、昔からそうなのか、ココロに突き刺さる言葉を話せる不思議なチカラを持っているとまた思った。ネットで検索して『好きな葉っぱのカタチにできる方法』と打ち込むと、『レーザーカッター』なる機械の画像がいっぱい出てきた。パソコンとつないで好きなカタチのデータをプリンターのように出力してカットできる優れものだ。すぐメールで『またヒラメキに出会った!』とイッチャンに報告するマサだった。