旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『ブログ』を教材に

マサは、うだる暑さに耐えながら通勤電車に乗った。いつも駅まで15分歩いているが、さすがに座席に着くと汗が流れ落ちた。先週から新入社員の研修が始まり、ペーパー部門の教育を任されていた。土曜日のアート講座で『プライベートカード』をテーマにやったので、新入社員にも手書きではあったが『プライベートカード』を作らせてみた。会社や大学以外を条件に、自己PRをすることにしたがそつなくプレゼンをこなした。男子3人女子1人みんなお酒が好き、でもカラオケには行かないのは意外だった。マサも自己紹介して、アーティスト名を『ロッキー マサ』だと伝えていた。きょうは、男子1人女子1人でOJTの教育を4時間しなくてはならなかった。まず彼らの愛称のリョウ、ミキティを呼ぶとにっこり笑ってくれた。マサのアーティスト名を聞くと、なんとか思い出してくれた。休みが3日続くとやはり印象が薄くなり記憶力がなくなるのもやむを得ないと感じた。マサは、ブログに記録していた過去の企画ストーリーを話しだした。どれだけ食い付いてくるのか、所詮は年寄りの話しだと思われるのか疑心暗鬼で資料を見せながら説明した。ロングセラーのチョコバット、つぶグミ、カレーライスらっきょうの誕生秘話をブログに記載したまま語りだすと止まらなかった。男子のリョウ君は、つぶグミを小さい頃から好きで食べていた事から、ネーミングをマサが考え出したことに興味を示してきた。マサは、もったいぶって答えはブログに載っているからと読んでもらうように促した。『どんな時にアイデアは出るの?』と親しげに質問をしてきた。『癒しからヒラメキが生まれる』とマサは即座に返答した。秋から開催されるワークショップセミナーのコンセプトでもあった。すかさず『癒しの状態とはどんな時?』『昔から三上と言われ、馬上、寝床の上、厠の上が癒しとヒラメキの場所だ』と言うと、この部分だけはメモにとっていた。結局『ブログ』を教材にしたことで4時間の教育は、あっという間に過ぎていった。