旅するペーパーくん

ペーパーくんの癒しとヒラメキの日々

『あの素晴らしい愛』をもう一度

マサは、柳ヶ瀬のカラオケに行き、星野源の『アイデア』を歌いたかったが、まだ登録されていなかった。朝ドラの中で中村雅俊が歌っていた『あの素晴らしい愛をもう一度』を最初に選択した。やはり作曲は加藤和彦、作詞は北山修であった。朝ドラでも出演者が涙流していたが、マサもいきなり声が震えさすがに涙は見せるのはヤバイと押さえた。高校生活も終盤となっていたが、例によりアンちゃんとイッちゃんの2人はマサの家に勉強をしに来ていた。2人には想いを募らせる女子がおり半分はその話で、会話についていけず聞くばかりだった。マサは雑誌に載っていた、山口百恵南沙織の似顔絵を鉛筆でスケッチしていた。ここでもイッちゃんは、『歯の描き方はユニーク、でも似ている』とほめてくれた。いま思うと山口百恵は、中学の時の初恋の人に似ていたかもしれない。野球部の早朝練習でクラスの部屋に入ると、同じクラスの男子と仲良く話す場面に出くわしてしまい、これが初めての失恋であり、これを高校まで長く引きずってしまっていた。マサは少しばかり反省をしている。マサの高校は男女共学で、学校帰りに男女が仲良く帰ってる姿は羨ましかった。帰りによく見かけるようになった女子が気になり始めたが、声を掛ける勇気がなかった。彼女も山口百恵に似ていたのではと今になって思った。